通信制高校を卒業するには?

通信制高校は、他の高校とは違って少し特殊なシステムなので入学前に確認をしておきたいですよね。

また、通信制高校独自のルールや、卒業に必要な特殊な要件があるのではないかと気になっている方も多いと思います。

結果から申し上げると、通信制高校を卒業するには、単位取得、在籍期間、特別活動の3つの要素が重要になってきます。

全日制の高校にはないような要件もあるので、よくチェックしておくことをお勧めします。

それでは、一体どういうものなのか、1つずつ見て行きましょう。

 

単位の取得

中学生、高校生の方であれば、単位制というシステムにまだあまり馴染みがないかもしれません。

高校には、大きく分けて単位制と学年制の2種類があります。

学年制とは、1年生から3年生へと学年を上っていき、3年かけて卒業をする、いわゆる一般的な全日制高校で多く採用されている仕組みです。

一方で単位制とは、授業やテストなどで単位を取得して、卒業に必要な単位数を満たして卒業する仕組みです。

いずれもメリット、デメリットがありますが、通信制高校では、基本的にこの単位制が用いられています。

通信制高校の場合は、卒業に必要な単位数は74単位と定められています。74単位を取得できるまで、卒業ができないので、しっかりと単位取得の計画を立てておかなくてはいけません。

学年制の場合は、授業を受けてテストで結果を残せれば、そのまま進級、卒業とある程度シンプルな仕組みなので、比較すると単位制のほうが少し難しく感じるかもしれません。

ちなみに他校から編入・転入をする場合は、前の高校で取得した単位を引き継ぐことができます。前の高校で20単位を取得していたのであれば、通信制高校では、残りの54単位を取得すれば卒業が可能になります。

学年制の高校であっても、表向きはわかりづらいですが、単位をしっかりと取得しているのです。

ちなみに74単位とは、卒業に必要な最低値ですので、当然それ以上に単位を取得することができます。

 

在籍期間

卒業に必要な単位は、74単位だと述べましたが、残念ながら一気に単位を取得して1年で卒業してしまおう!といったことはできないようになっています。

通信制高校では、最低でも3年間在籍しなければ卒業できない決まりになのです。

また、1年間で取得できる単位数の上限も学校ごとに定められているので、1年間で一気に単位を取得して、残りの2年は、なにもしないといったこともできません。

ただし、前半で単位を多く取得することで、後半の履修科目を減らして、フリーな時間を確保するといったことは可能です。

単位と同じように、在籍期間も前の高校から引き継ぐことができます。ですので、通信制高校へ編入・転入した場合でも周りと同じタイミングで卒業、進学することも可能です。

 

特別活動の単位

高校卒業には、特別活動の単位の取得が必須となっています。

特別活動とはホームルームや、体育祭、修学旅行などの活動のことです。全日制であれば、とくに意識することなく自然に参加するようなものですが、通信制高校の場合はそうもいかない場合も多いでしょう。

実は、高校を卒業するには、こういった活動には必ず参加をする必要があります。これは法律で定められているため、高校によって変わるといったことはありません。

特別活動にも単位が存在し、総合で30単位が必要となります。

通信制高校は、週に3~5回通うタイプもあれば、年に1回だけ通うタイプなど高校やコースによって様々です。

年に数回しか通わないタイプは、スクーリングやレポートの提出をオンライン上で完結させていますが、特別活動だけは、実際に出向いて参加する必要があります。

通信制高校であっても一度も通わないコースが存在しないのにはそういった事情があるのです。

 

卒業までのプランを立てることが重要

学年制の高校では、授業を受けて、テストで最低限の点数を取っておけば、進級、卒業と基本的に問題なくいきますが、単位制を採用している通信制高校ではそうはいきません。

履修する授業や、1年でどれだけの単位を取得するのか?また単位を取得できなかった場合の対策なども自分で考えなければなりません。学年制は受動的、単位制は能動的なのです。

また、通信制高校は、教室で勉強を強いられるわけではないので、本人の勉強する意思が非常に重要になってきます。勉強するもしないも本人次第になってしまいますので、しっかりと、計画を立てて勉強する時間を確保するようにしましょう。

また、毎日のスケジューリングも重要ですが、年間を通した単位取得プランも綿密に計画しておきましょう。

ここで通信制高校卒業までのプランを2つの例に分けて見て行きましょう。

卒業までの単位取得プラン「ガッツリ詰め込みタイプ」

極端な例ではありますが、画像左のガッツリ詰め込みタイプでは、1年目、2年目で取れる限りの単位を取得して、3年目に余裕を持たせるタイプです。ちなみに学校によって1年間で取得できる単位は決められていますが、最大30単位までと定められている通信制高校が多いです。

ガッツリ詰め込みタイプは、普段時間に余裕のある方、大学受験を目指す方に適しています。3年目で余裕ができるため、受験勉強にたっぷり時間を使うことができます。

卒業までの単位取得プラン「ゆったりマイペースタイプ」

画像右側のゆったりマイペースプランは、打って変わって、年間の単位取得数を最低限に抑えて卒業するプランです。

こちらのタイプは、学業と並行して打ち込みたいものがある方に向いているタイプです。アルバイトや趣味にたっぷり時間を使いながら高校卒業を目指す方に人気です。

ただし1年目から3年目まで卒業するのに必要な単位をギリギリで取得するので、単位を落としてしまうと、次の年にその分多くの単位を取得する必要が出てくるため、忙しくなるというリスクがあります。

ほとんどの方は、3年間で卒業を目指しますが、通信制高校には学年という概念がありません。つまり3年で卒業をしなくてはいけないという決まりは全くなく、プライベートの両立しながら、4年、5年かけてじっくり卒業を目指す方も珍しくありません。

 

まとめ

通信制高校を卒業するには、単位の取得、在籍期間、特別活動の参加が重要だということがわかりました。

在籍期間は3年以上、特別活動の単位は30単位以上必要です。どんなに少ないコースでも基本的に年に1回は、登校をする必要があります。

ちなみに単位と在籍期間は、編入・転入前の学校から引き継ぐことが可能です。通信制高校に編入・転入をしても周りと同じタイミングで卒業することも不可能ではありません。

単位は74単位以上必要なので、自分が卒業したい期間と照らし合わせて計画的に単位取得を目指しましょう。

大学進学を考えている場合は、1年、2年目でできる限り多くの単位を取得して、3年目に受験勉強用の時間を確保しておきましょう。さらに、通信制高校は、学年制の高校とは違い、3年で卒業する必要がありません。よりプライベートを充実させたい方は、4年以上かけて卒業を目指してみることも検討してみてはいかがでしょうか。